研究開発の目的
世界には多くの製品が存在し、それぞれの中には最先端かつ高い技術で製造された多くの部品で構成されています。
それらの製品の性能あるいは品質は常に最高の水準でなければ、企業の競争力の一つとしては成り立たちません。
また企業同士の技術力、品質、製品力の差は年々なくなりつつあります。
だからこそ、高性能、高品質な製品を作り出すための技術を持つことが企業の最大の課題であり、目的であると考えます。
フジエンタープライズは世界中に存在するオフィス機器の生産に携わる一企業として、常に高品質、高性能な製品を提供する
ために、研究と開発を最優先課題として取り組んでいます。
研究開発の拠点
フジエンタープライズは主要研究施設を本社内に設け、グループ全体の製品開発および独自の生産工法や新しい技術の研究開発を行っています。 また、テクノロジーフロンティアではフジエンタープライズ及びMCTの商品開発並びに技術検証支援や新たらしい分野の研究開発を大学と共同で取り組んでいます。
本社開発技術センター
テクノロジーフロンティア
研究開発の内容
複合材料(FEファインシリーズ)の開発
フッ素系樹脂材料をベースにさまざまな材料とハイブリッド化し、新たな特性を付加した複合材料の製品を開発しています。 代表的な開発品として、多孔質フッ素樹脂材料と、フッ素エラストマーを組み合わせて柔軟性,弾性を付与した「FEファインシリーズ」があります。 FEファインシリーズは耐薬品性と耐熱性を兼ね備えたフッ素系の複合材料からなるシートやチューブです。 多孔質化されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の空孔部分にフッ素エラストマーを含浸,複合化 し、多孔質PTFE基材の強度,柔軟性と、フッ素エラストマー含浸材のゴム性(クッション性, 復元性等)を併せ持っています。 パーフロロエラストマー(FFKM)に相当する性能があり、既存品と比較して圧倒的な低コストを実現しました。 耐溶剤性に優れ、従来のフッ素ゴム(FKM)では使用が難しかった極性溶剤、アミンなどに対して 安定性を示し、また耐油性、耐薬品性にも優れます。 耐熱性においては -50℃の低温から 200℃近くの高温においても ゴムとしての物性を保ちます。
FEファインシリーズの複合構造 (輪切断面例)
黒色部:PTFE樹脂成分
白色部:フッ素エラストマー成分
フッ素化ポリエーテルエラストマー骨格と
末端のシリコーン架橋基から成ります。
項目 | フロロシリコーンゴム | フッ素ゴム | FEファインシリーズ | パーフロロエラストマー |
---|---|---|---|---|
低温性(-50℃) | ● | × | ● | × |
耐熱性 | ● | ● | ● | ● |
耐極性溶剤性 | × | × | ● | ● |
耐油性 | ▲ | ● | ● | ● |
耐アミン性 | × | × | ● | ● |
耐薬品性 | ▲ | ● | ● | ● |
●:最適 ▲:適 ×:不可
FEファインシート D07 製品詳細へ
FEファインチューブ 製品詳細へ
フッ素系素材の加工、熱処理等
お客様のご要望を柔軟に対応できるよう、FEファインシリーズの原料素材である 多孔質PTFE基材の加工、熱処理等も行っております。
PTFEチューブを熱膨張する事により微多孔を有するチューブを製造しています。
極めて微細な連続孔(≦0.07μm)、優れた強度、平滑な表面を有し、熱収縮する性質があり、
FEファインチューブ(OAローラー表面用)の原料ですが、単体としても優れた特性が有ります。
項目 | 単位 | PTFE微多孔熱収縮チューブ | 通常の延伸多孔膜 |
---|---|---|---|
孔径 | μm | ≦0.07 | ≧0.2 |
空孔率 | % | 20〜50 | 50〜95 |
通気度(ガーレメーター) | 秒/100cc | 10^3〜10^5 | ≦200 |
引張強度 | MPa | 45 | 10〜20 |
kgf/cm2 | 450 | 100〜200 |
その他
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・FE製ファインシートの用途開発
PTFE多孔質にフッ素化ポリエーテルエラストマーを複合させ、 優れた耐薬品性と柔軟性並びに安全性を求められる素材の用途開発。
- ・二次電池用効率アップの為の実用新素材の開発
- ・太陽電池変換効率アップの為の実用新素材の開発